未来をいくつか潰した話
kinutoido:
以前雑貨屋で見た親子のやり取りをひとつ。どうしても欲しくて、頼んで頼んでようやくお許しをもらった少女が選んできたのは、何種類かの昆虫を象ったシールだった。
体の模様にはキラキラした加工がされている。
少女にはまるでダイヤモンドのように見えたのかもしれない。
期待に満ちた表情で母親の元へ持っていくと、商品を目にした母親は吐き捨てるように言った。「女の子が虫なんてやめてよ。本当にセンスないわね。」
わたしはこの瞬間、いくつかの可能性が消えてしまったことを悟った。
まず、母親に自分の好きなものを否定されたこと。
…
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません